「乳白」と「乳半」の違いと光透過率とは?

アクリルグローブは透明色と乳半色

当社のアクリルグローブの色調は、透明(とうめい)と乳半(にゅうはん)の2種類をラインナップしています。しかしながら、乳半というのは一般的な名称ではないため、ユーザーへ説明する時は想像しやすいように「牛乳のような白色」と伝えていました。大概はそれで問題ありませんでしたが、この「白色」というのが結構クセ者で、ユーザーに誤解を与えてしまうこともあります。

  
※左:透明、右:乳半

光を通すのは乳半、光を通さないのは乳白

一般的に「アクリルの白」と一言でいっても様々な色調がありますが、大まかに特性で分類すると乳半(にゅうはん)と乳白(にゅうはく)の2種類に分かれます。似たような名称のため、その特性の違いを下記にまとめてみました。

乳半・・・透けて見える、光を通す
乳白・・・透けて見えない、光を通さない

要約すると、光を通すのが乳半、通さないのが乳白となっています。つまり、乳半の「半」とは半透明の「半」と覚えてもらえれば納得できるでしょう。百聞は一見に如かず、ということで下の写真をみれば一目瞭然です。


※左:乳半、右:乳白(株式会社フジタHPより引用)

前述したとおり、当社のアクリルグローブで使用しているのは光を通す乳半色です。つまり、アクリルグローブの内部にLED電球などの光源を入れると、光がぼわっと拡散されて空間全体が明るくなり、和らいだ雰囲気になります。照明カバーとして製造されているアクリルグローブに乳半色が使用されているのはこのためです。当然ながら乳白色のアクリルグローブは存在しません。

光透過率とは?

一般的に水やガラスなどの光を通すものを「透明」と呼んでいますが、実際には透明度には特定の単位はありません。そのため、透明度を測る指標として光透過率が使われています。なお、光透過率とは光を通す割合のことで、0~100%の数値で表記されます。つまり、透過率が低ければ低いほど光を遮断し、高ければ高いほど透明度は高くなります。

アクリル樹脂はガラスよりも透明

「身近にある透明なものを一つ挙げてください」と問われると、多くの人がガラスと答えるように、ガラスの代名詞は「透明」であり、その光透過率は90%前後です。一方で、樹脂素材の中で透明度が最も高い透明アクリルの光透過率は94%もあります。つまり、アクリル樹脂はガラスよりも透明であり、公的な数値が実証しています。なお、その高い透明度の特長を活かしたアクリル樹脂の用途が水族館の水槽です。その代表的なものは、2002年にオープンした沖縄県の美ら海水族館の巨大水槽「黒潮の海」の窓に設置された高さ8.2m、幅22.5mのアクリルパネルです。60㎝の厚さを感じさせない透明度は、アクリル樹脂ならではのものでしょう。

参考)ルーメンとルクス、ケルビンとカンデラとは?


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