No.150 長谷川正の「言ったモン勝ち」
我々が普段から何気なく使っているプラグとコンセント(正式名称は「配線用差込接続器」 JIS C 8303-2007)ですが、日常生活の感電事故を防止するためにもメーカー側から詳しく説明したいトピックスです。消費者側からは日常生活に馴染みのあるものだけに、それらに関心を持たないのはある意味当然でしょう。しかし、敢て「なぜ×なぜ×なぜ?」を繰り返して本来の存在価値を少しずつでも理解すれば、もしかしたら普段の何気ないものがある日突然変わって見えてくるかもしれません。
当社の防水差込プラグとコードコネクタボディ(2P)
一般的なプラグとコンセントの知識
まず、一般家庭の壁などに埋め込まれた差し込み口をコンセントと呼び、通常はその中には100Vの電気が流れています。一方でプラグは家電などから出ている電源コードの先端の突起部分を指し、コンセントに差し込むことで家電が動く(機能する)ようになります。その形状から「コンセントをメス(凹)」「プラグをオス(凸)」と呼ぶ人もいます。次に、コンセントとプラグは同じ形状(型式)のものがオスとメスの1対1で組み合わさり、違う形状のものを組み合わせることは出来ません。身の回りで違う形状のものを探してみると、最近のマイホームでよく見かける大部屋のエアコンや食洗器の200Vコンセントとプラグは100Vのものと違う形状をしています。と、ここまでは誰でも知っている一般的な知識なのですが、深く掘り下げると多くの疑問が浮かびます。
プラグとコンセントのなぜ×なぜ×なぜ?
疑問)なぜ壁に埋め込まれるのはプラグでなくてコンセントなのか?
疑問)なぜ100Vと200Vでプラグとコンセントの形状が違うのか?
疑問)なぜ100Vと200Vの2種類の電圧があるのか?
疑問)周波数ってなに?三相ってなに?
これらの疑問に答えます。
なぜ壁に埋め込まれるのはコンセントなのか?
コンセントのルーツは白熱電球をねじ込むソケットです。日本の一般家庭に電気が普及した大正時代、天井から吊り下げられたソケットから供給された電気は白熱電球を灯すだけでした。しかし、後にラジオやアイロンなどの電化製品が登場し、それらの電気をソケットから取るだけでは足らなくなったため、ソケットは壁に埋め込まれたコンセントへ進化していったのです。では、もしプラグを壁に埋め込んだ場合はどうなるのか?壁に出っ張りが出来るので歩きにくくなる、ケガをしやすくなるのは当然ですが、それよりも深刻な問題は感電の危険度が高くなることです。感電とは、体内に電流が流れて刺激やショックを受ける状態のことを指しますが、あのビリっとくるやつ、と静電気と間違う人もいます。感電は静電気とは比較できないほど危険です。下記に電流の強さとその症状を示します。
1mA | ピリッとくる程度。人に危険はない。 |
---|---|
5mA | 結構な痛みを感じる。危険性の始まり。 |
10mA | 耐えられないほどの痛さ。 |
20mA | 筋肉が激しく収縮し、握った電線を離せなくなる。 |
50mA | 心拍停止の可能性があり、呼吸系統への影響が出る。 |
100mA | 心室細動の発生、心拍停止。致命的な結果になる。 |
感電事故を防ぐ正しい対策
正しい対策をすることで日常の感電事故は防止できます。ほんのちょっと意識するだけでできる防止対策もありますので、覚えておいて損はありません。
アース(緑色の線)をしっかりと接続する
アースに関しては下のブログで詳しく説明していますが、冷蔵庫、洗濯機、温水洗浄便座など水気のある場所で使う家電には、本体裏側の金属部分もしくは差込プラグから緑色のアース線が出ています。アース線をコンセントの接地部分に正しく接続(接地)して使用しましょう。アース付きコンセントには(アース)ターミナルというネジで固定するもの一般的で、緑色の線をターミナルに接続します。また、差し込み口(穴)が3つになっているものもあります。
参考)プラグとコンセントの形状のなぜ?基礎・基本を学ぶ
分電盤の中に漏電ブレーカーがあるかチェックする
一般家庭の分電盤に設置されている漏電ブレーカーは、「感度電流15mA」「動作時間0.1秒」で電気を遮断する性能があります。通常は玄関の近くに分電盤が設置されていますので、必ず漏電ブレーカーが付いていることをチェックしましょう。(漏電ブレーカーは下記ブログを参照願います。)古いタイプの分電盤には設置されていない可能性もありますので、その場合は近くの電気屋さんに相談しましょう。
参考)一般家庭に必要な電気知識とは?基礎・基本を学ぶ
コードから電線(銅線)がむき出しになっているものは使わない
コードから電線(銅線)がむき出しになっていると、そこから感電する可能性があります。ビニールテープなどの修復では不十分ですので、絶対にやめてください。
濡れた手でプラグやコンセントを触らない
一般水道水は電気を通しやすいという性質がありますので、濡れた手でプラグやコンセントを触らないようにしましょう。お風呂上りに髪を乾かす時のドライヤーなどは特に注意が必要です。
コンセントカバーで保護する
小さな子どもがコンセントの差込口に物を差し込むことがありますので、コンセントカバーなどを使って保護しましょう。キャップタイプとボックスタイプがあり、コンセントのサイズや設置場所によって使い分けましょう。
次回のブログに続きます。
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「アクリルグローブ」