103万円、130万円の壁によくある勘違い

第103回 長谷川正の「言ったモン勝ち」


先日、パート社員さんと年次契約更新の面談を行い、次年度の勤務日数、時間帯や時給を確認し雇用契約書を交わしました。その席では今年はどのくらい働きたいのか、言い換えれば年間給与の設定金額も話し合います。当社は従業員40名程度のため、103万円もしくは130万円の壁を意識して働く人が多くなりますが、その際、壁を勘違いしている人がいましたので、ここで簡単に整理してみます。

最初に現れるのは100万円の壁

よく、「税金を払いたくないので年収103万円以下に抑えたい」と言われることがありますが、厳密にいえばこれは間違いです。「税金を払いたくない人は年収を100万円以下に抑える」が正しくなります。パートで働きに出た主婦(妻)にとって最初に現れるのは住民税が発生する「100万円の壁」で、「103万円の壁」を超えると所得税の納税義務も発生します。なお、103万円を超えた場合、主婦自身が支払う所得税(5%)よりも、むしろ配偶者(夫)が会社から貰っている毎月の配偶者手当が受けられなくなる場合もあるので確認が必要です。更に「130万円の壁」を超えると夫の扶養から外れ、税負担が大きい社会保険料(健康保険料や年金)を支払う義務が発生します。実際の納税金額は給与の15~16%程度となるため、年収130万円の人で21万円程度と計算されます。当然ながら手取りは大幅に減少し、減った分を取り戻すには年収160万円以上働く必要があるでしょう。

150万円の壁、201万円の壁

壁にはまだまだ続きがあり、妻の年収が150万円以上になると、夫の手取りにも影響します。夫の給与(課税所得)から控除できる配偶者特別控除の金額が段階的に減り始めるためで、妻の年収が約201万円以上で配偶者特別控除がゼロになります。これが、「150万円の壁」と「201万円の壁」と言われているものです。

税金を払わずに働きたいと考えているパート社員さんは年収をいくらに抑えることで、誰の手取りがどのくらいになるのか」を十分理解しながら契約することが大切です。しかし、「壁は超えたくない」とばかりにこだわると、働き方の選択肢が限定される可能性があります。また、当たり前ですが年収を増やさないと手取りも増えないため、家計を豊かにするためにパートで働く主婦の方にとっては、思い切って壁を超える勇気も必要かもしれません。

103万円、130万円の壁によくある勘違い

注)上記は2020年3月に投稿したものです。2022年、2024年には「130万円の壁」が「106万円の壁」に引き下げられる企業もあります。


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